「サバイバー(宿命の大統領)」のシーズン1、第3話からです。PotPlayerで英語・日本語字幕同時表示でキャプチャーしました。

(以下字幕)
So, the President’s computer is the only one that’s been compromised? Yeah.
被害は大統領の(コンピューター)だけ?
Just can’t tell if there have been any data spills.
ああ、だがデータ流出がない
(字幕終わり)

ホワイトハウスがハッキングにあった場面です。Just can’t tell if there have been any data spills.は「ああ、だがデータ流出がない」と訳されていますが、これはtellの意味の誤解です。

この場合のtellは「〔複数の物事の違いを〕見分ける」(英辞郎)ですから、「データ流出があったかどうかは分からない」が正解です。プロであれば、これを間違ってはいけません。

次です。

(以下字幕)
You have a lot of difficult decisions ahead of you, sir.
難しい決断です
(次の台詞の画像は省略してあります:Speaking for Congress, I want to assure you that you have my complete support no matter what you decide. Thank you.)
And I would never want your job.
大統領は遠慮する
(字幕終わり)

And I would never want your job.は、大統領という職は激務だから「わたしなら絶対にしたくはない」という意味です。

このwouldは、いわゆる「現在を表すwould」で、(1)意志・希望、(2)推量(3)文中または言外に仮定の意味を含む場合の3つの用法があるとされています(江川泰一郎著、英文法解説改訂三版)。上の例は、 (1)意志・希望に該当します。

以下、「英文法解説改訂三版」の該当部分を引用します。
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206. Would (2)現在を表す場合
 (1)意志・希望
 I would gladly meet your mother at the airport and drive her to the hotel.(喜んでお母さんを空港でお迎えし,ホテルまで車で送りましょう)
 I know this rug is a real bargain; I wouldn’t buy it, though. (この敷き物が掘り出し物なのはわかります。でも,買うつもりはありません)
 Is there anyone who would lose his freedom of speech ?(自分の言論の自由をあえて失おうと思う人がいますか)
(2)推量 実質的な意味は will(§148(1))と同じである。
 That girl over there would be Beth.(あそこにいる女の子はベスだろう)
 Your husband would be coming home from work, I imagine.(ご主人がそろそろ仕事からお帰りになるのでしょう)
 Cf. By this time tomorrow, we would be high up in the Rockies.(あしたの今ごろまでには,ロッキー山脈に登っているでしょう)
(3)文中または言外に仮定の意味を含む場合 → §178
 If he is so sick, he would be better off in a hospital. (そんなに具合が悪いのなら,入院したほうが楽でしょう)
 Are you cold? Come and sit by the fire. You would be warm. (寒いのですか。火のそばに来て座りなさい。[そうすれば]暖かいでしょう)
 The computer performs a computation in seconds which would require hundreds of worker hours. (コンピューターは人間ならば数百時間かかる計算を数秒でやってしまう)
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次です。

(以下字幕)
I feel I owe you an apology
君に謝りたかった
because I agreed to have you brought over to the West Wing earlier today to tell stories about your father
父上の話を聞くために君を呼びつけてしまった
for the eulogy that I was supposed to deliver.
弔辞のためなんて 
It was insensitive, and I am sorry.
無神経だった 申し訳ない
(字幕終わり)

トム・カークマン(指定生存者=現在の大統領)が、亡くなった大統領の息子にホワイトハウス西棟(the West Wing)に来てもらって話をする場面です。

長い文章なので、よく分析しなければなりません(文芸書や技術書の英文は、これより長いのがいくらでもあります)。I agreedは、おそらく、息子に電話してホワイトハウスに来るように依頼し、お互いに「同意した」ということでしょう。

問題はtell stories about your fatherで、tellの主語はトム・カークマンです。ですから、「(息子から)父上の話を聞くために」ではなく「(私が息子に)(生前の)父上の話をする」です。その話を弔辞の中で言うことになっていたのです。

have you brought over to(場所)は少し変則ですが、「車を手配し、(君を)連れてくる」くらいの意味でしょうか。

以上

 

 

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