12話は、勉強になる箇所はそれほど多くはありませんでした。変形のクジラの公式(be動詞ではなく普通動詞)がありました。

クジラの公式とは、ご存じのように次のような構文です。
A whale is not a fish any more than a horse is.  または、
A whale is no more a fish than a horse is. 
(馬が魚でないのと同様に、クジラも魚ではない)

(以下字幕)
(ハウス)
Statistically, there was always a chance this could happen. The fact that it did happen doesn’t change anything.
事件が起こったところで何も変わらない。
The world doesn’t suck any more today than it did yesterday.
世界は相変わらず最低だ
(字幕終わり)

「事件」とは、この女性の患者がレイプされたことです。最初の文は、直訳すると「統計的には、これ(事件)は、いつも起こりうることだった」です。第2文は、「事件が起こったという事実は、何も変えない」が直訳です。

The world doesn’t suck ~は、前述したようにクジラの公式です。suckはここでは自動詞で、「〈俗・軽蔑的〉最悪である、非常にむかつく[いらいらする]」(英辞郎)の意味です。もう少し弱く、「不適当(inadequate)、つまらない、退屈」という意味で使われることもあるようです。

字幕は「世界は相変わらず最低だ」となっていますが、否定文なので、「最低ではない」が正解です。クジラの公式は、than以下が肯定文であることに注意。

ハウスは偏屈でいつも皮肉ばかり言っているので、訳者は、それに引きずられて解釈を間違ったのでしょう。ここでは珍しく、まともなことを言っています。レイプされた女性を元気づけているのです(人を勇気づけるとは、これまた珍しい)。

「世界は、昨日もそれほど悪くはなかったが、今日も悪くはない」が直訳で、少し工夫すると「世の中は、昨日と同じく今日も捨てたものじゃない」。

なお、The world doesn’t suck more today than it did yesterday.というふうにanyがなければ普通の比較文であり、訳は「世の中、今日は昨日よりは最低ではない/昨日より良くなった」となります。といっても、政権交代でもない限り、そのようなことはないので、やはりクジラの公式とみるべきでしょう。

上の類例としては、I feel better today than I did yesterday.(昨日より今日のほうが気分がいい)などがあります。

次です。

(以下字幕)
(ハウス)
My parents traveled a lot, and they’d leave me with her.
両親が留守がちで祖母に預けられた
(字幕終わり)

they’dはthey wouldで、このwouldは「過去の習慣」を表します。つまり、「私をよく祖母に預けたものだ」ということです。

以上